この記事では、自分の常識を大きく覆すきっかけ、そして人生に大きく影響を与えた私自身の意識変革について紹介します。それは、無形資産を本当の意味で意識し始めたことで、世界の見方が根本的に覆され、行動も変わったことです。
結論を言います。
バランスよく無形資産と有形資産を増やしていくことが人生においては重要です。そして人生の資産を増やすために、年収やサラリーマンとしての出世という固定概念にとらわれずもっと視野を広く持ちましょう。自分のための時間と、自分への資源の投資にもっと重きをおくべきです。そのためには、自分の時間を切り売りする生計の立て方以外の方法を模索し、実際に行動することをお勧めします。その際に参考となる考え方もご紹介します。
Contents
意識変革前まで
東大の院を出て外資コンサル会社に入って、新卒で年収が600万前後になって、悪くない人生のスタートだと思っていました。また、外資コンサルですと、キャリアパスも明確で、コンサルのパートナーになれば、悪くはないキャリアが先にあると自信も持っていました。特に人生において明確な目標がない私は、一旦コンサルキャリアのゴールに向かってがむしゃらに頑張り、それなりに無茶をしつつも、評価を受けてスキップで昇進したり、同じランクで最高評価をもらったりすることができました。ただ、今にして思えば、これもエリートサラリーマンを目指せばうまくという極めて視野の狭い考え方でした。
実際、人生そんなに甘くはありません。以下の3つのきっかけによって、私の意識変革が起きて、人生を考え直さなくてはと思いました。
- 仕事での成長の鈍化、失敗、理不尽
- 嫁との婚約
- 体調の悪化と咳喘息の発症
仕事での成長の鈍化、失敗、理不尽
昇進する直前で、自分なりに成長の鈍化が感じられ、失敗を自覚する場面が多くなり、以前ほどアドレナリン全開で突き進むことができなくなりました。同時に、関わったプロジェクトのテーマで、どうあがいても中途のコンサルの方には追い付けない無力感がありました。
さらに、全身全霊を投じてハードルの高い案件をこなし、お客様から評価を得ることができた時に、達成感を得る反面、お客様会議に一度もでないパートナーが、自分の何倍もの年収を得ていることにふと疑問をもちました。他に、案件では活躍しなくても、転職活動に専念しトップレベルの戦略ファームや有名外資企業に転職していった同僚の存在を知り、自分の努力と成果は、あくまで今の会社のこのチームでしか通用しないのではと心配になりました。
嫁との婚約
感謝すべきことに、前職の会社で嫁となる人と出会うことができ、婚約しました。家庭をもつこと、将来的に子供を持つこと、自分が片親で育ったこともあり、家庭を大事にしていきたいという思いが強くなりました。そうなると、これまでの独身貴族的で、後先考えずに仕事に全力投球することは困難になります。しかし、家族を養う責任、老後への準備がなくなるわけではありません。家庭と仕事双方をうまく回そうとすると、このままではいけないという危機感を感じました。
体調の悪化と咳喘息の発症
意識変革がおこる少し前から、体調が悪くなることがよく良くありました。日々深夜タクシーでの帰宅、土日も仕事で疲れがどんどんたまっていきました。結果、夜遅くまで残業するとひどい乾いた咳をするようになり、時に息が苦しくなり、周りにも心配されるほどでした。診断すると咳喘息で完治せず、発作時には吸入薬を必要とします。また、所属チームの直属の上司も胃腸を壊し通院しており、キャリアでうまくいっても、みな結構体調やプライベートを犠牲にしているんだと体を持って知りました。この時は27歳ですが、新卒の時ほど元気がなくこのままあと10年気張ってパートナーまでいけるか不安になりましたし、パートナーになれたとしても後戻りできないほど健康が悪化するのは目に見えていました。
ある本との出会い、気づき
ステマっぽい感じになっていますが、本当の本当で、ある本に出合うことが自分の人生を考え直すようになりました。この当時どこの本屋でも並んで、話題にもなっていたLIFE SHIFT 100年時代の人生戦略です。あまりにひねりがなく、失望したでしょうか。私もこの本の影響を大きく受けたひとりです。
この本のどこが私に一番価値があったのか。
「無形資産」(intangible assets)という言葉を、漠然とした概念ではなく、具体例を伴う重みをもつ明確な言葉として表現されたことが私にとっての一番の価値でした。
会計でも用いられる用語ですが、これを人生に照らし合わせて考えることはありませんでした。自分はなんと愚かかと気づかされました。
調べればいくらでも出てきますので、ここでは本の中身は紹介しません。
その当時私が自分を振り返ってみると以下のようでした。
生産性資産
この当時、データアナリティクス、デジタルトランスフォーメーション、ビジネスへの機械学習の活用といった非常に複合的な領域が重なるテーマを仕事にしていました。プロジェクトと関係のある知識はありましたが、やればやるほど何も知らない自分が明らかになり、中長期的の成長の鈍化が感じられました。一方で、目の前の仕事に忙殺されて落ち着いて体系的に学ぶことも、自分の能力ではままならなかったです。生産性資産はすぐに陳腐化するような内容、会社内では競争力のないスキルセット以外はほとんどないように思えました。活力資産
前述の通り、健康とプライベートを犠牲にして仕事に全力投球していたので、体調はガタがきていましたし、家族とも十分に接する時間がなく、仕事の関わり以外に友人やもっと異なる背景の方と接する機会もありませんでした。活力資産も底をついでいました。変身資産
これまでと全く異なる自分、やったことのない新たな事を思うがままチャレンジするための資産は、当然考える余裕もなかったですし、意識もしませんでした。未知の可能性・自分の時間のために事業会社への転職
これまでの経緯を振り返ります。なぜ、パートナーは自分ほど働かなくても、何倍も年収がもらえるか。
能力、経験はもちろんのこと、それ以上にビジネスオーナーで、部下がいることで自分の時間が増え、その時間を使いさらに付加価値の高いことができるように自己投資ができる点が挙げられます。
なぜ、案件で活躍していない同僚が、世界的なトップ企業に転職していけるか。
時間や努力の方向を自分のキャリアの成功に向けていて、おそらく仕事での経験も最大限にその方向に向けて活用している。
つまり、パートナーや例に挙げた同僚は以下のことができていました。
- 自分自身の価値を高められる時間を持ち、それがさらに価値を生む良い循環を生み出す仕組みを持っている
- 努力が自分自身の価値を高めることに直結している
時間が有形・無形資産を生み、さらにそれが自分の時間を増やす仕組みを作る
時間は大切です。時間が唯一無二の有限な資源であり、一方で時間があれば大抵なことは実現できます。理想は、生活に苦することなく、大切な人や自分のための時間をどんどん増やせることだと思います。 そのためにも、繰り返しますが、自分の時間・労働をお金に換えるスタイルからの脱却が必要です。そこで、お金を獲得する方法を以下の観点でまとめてみます。 お金を稼ぐ主体とは、直接お金を獲得するために必要な対価です。
例えば、「自分の時間労働」であれば、アルバイトのように時間当たりの労働に対してお金が発生します。
一方、「トレードに回すお金」は、お金を使って株や為替の売買によってキャピタルゲインを得るので、お金をトレードすることで、売却益というお金を得ます。
なるべく自分が時間と労力を掛けずに、お金を沢山生み出せるようなお金の稼ぎ方は何かと考えた時に、ストック性、投資レバレッジ、着手のハードルという軸があり、また、それぞれに実践した際のリスクがあると考えます。軸の評価の中身やリスクの例は私の主観によるところがあるのと、一概にいずれかが正しいか判別付かない内容で前提や人それぞれの背景によっても違うためあくまでこのような軸で考えられるのでは、という観点で見て頂けたら幸いです。
ストック性が高ければ高いほど、価値が価値を生み、自分が時間をそこまでかけなくてもお金を生みだし続ける特徴を持っています。 投資レバレッジは、お金を生み出すに投下したコストに対するリターンにどれだけレバレッジが効くかという考え方です。
時間給の労働ですと、かけた時間以上の対価はもらえません。一方、例えば有名な漫画家が生み出したヒット作品などは、作品自体も印税になりますし、それが有名になればなるほど多くのコラボやコンテンツに使われ、ライセンス収入も生みます。そして作品のファンのコミュニティがさらに作品の価値を高めてくれると雪だるま式に価値が高まっていくように非常にレバレッジが効きます。
着手のハードルは、ストック性、投資レバレッジを利かせるまでの難易度で、どれだけ勉強、経験の獲得やコストの投下が必要かというものです。ストック性も投資レバレッジも聞かせて、着手ハードルがより低いものの中で、自分にとってリスクが許容できるものから優先的にやっていくべきでしょう。
整理してみると、なんてことないのですが、副業をやろうとおもった時にこのような事を念頭おいてやる方は少ないのではないでしょうか。
例えば、私の周りでもデータサイエンスやコンサルスキル等に関して、講師や講演を副業にする場合先輩や同僚もいますが、収入を得る都度自分が話したり教えたりする必要があり、時間に対して以上の対価は支払われません。
そのため、ただ単に副収入として考えると、正直いまいちです。
しかしながら、視点を変えて最終的な目標としてコンテンツや知名度の獲得がゴールにあるのなら、講師や講演もファンや知名度を上げるための一手段としてとらえられて、最終的に自身のコンテンツによって稼ぐことができるため、よいといえます。
ちなみに私個人は、人見知りな性格、人に言えないコンプレックスとなぜか職場で働く小さなチーム以外では人望がなく人見知りで社会に出ていく気もないので、何とか人と関わらずに稼げたらと思っています。また、コンサルをやめる直前に数百万のボーナスをもらっていたので、これを原資に投資とトレードを最終的に副業にしています。なお、このブログはなんとか自分のコンテンツになったらいいなという思いで作っています。ただ、自分の背景からして投資やトレードをした方が早いため、これはあくまで自分の成長過程の記録と学んだことの体系化のためにやっている意味合いの方が大きいです。
まとめ
- 普段なかなか意識しにくい無形資産に目を向け、バランスよく無形資産と有形資産を増やしていくことが人生においては重要です。
- 時間も健康も唯一無二の有限な資源であり、理想は、健康を害さず、生活に苦することなく、大切な人や自分のための時間をどんどん増やせることだと思います。
- そのためには、自分の時間を切り売りする生計の立て方ではなく、なるべく自分が時間と労力を掛けずに、ストック性、投資レバレッジ、着手のハードルの観点で効率がよく、リスクを許容できる方法を模索し、実際に行動することをお勧めします。
1 thought on “かたちのない資産を意識すると見える世界が変わった”